不動産投資で失敗しないためには、公示価格を知っておく必要があります。
公示価格が上昇すれば、不動産の売買価格や固定資産税、相続税の負担も増加するからです。
この記事では、公示価格の概要、影響、今後の見通しについて、不動産投資の視点で解説します。
公示価格とは?
公示価格の概要
公示価格とは、国土交通省が毎年1月1日時点の更地の価格を公表するものです。
公示価格は、土地の取引価格の指標として用いられ、不動産の売買価格、固定資産税、相続税などの算定に利用されます。
公示価格の算定方法
公示価格は、国土交通省の土地鑑定委員会が、全国約2万3,000地点の土地を対象に、不動産鑑定士の鑑定評価に基づいて算定します。
鑑定評価では、土地の形状、立地条件、周辺環境、交通利便性など、さまざまな要素を考慮して価格を算出します。
公示価格の目的
公示価格の目的は、土地の取引価格の適正化と、国土利用計画の健全な推進を図ることです。
公示価格は、土地の取引価格の指標として用いられることで、土地の取引が適正に行われることを促進します。
また、公示価格は、国土利用計画の策定に利用されることで、国土の有効かつ合理的な利用に資するものです。
公示価格の影響
不動産の売買価格
公示価格が上昇すると、不動産の売買価格も上昇する傾向にあります。
これは、公示価格は土地の取引価格の指標として用いられるためです。
公示価格が上昇すれば、土地の価値が高まったと考えられるため、売主はより高い価格で売却しようとするためです。
また、買主も公示価格を基準に価格を判断するため、不動産の売買価格が上昇する傾向にあります。
固定資産税
固定資産税は、土地や建物の所有者に対して課税される税金です。
固定資産税の課税標準は、土地の場合には公示価格の80%、建物の場合には固定資産税評価額です。
公示価格が上昇すると、固定資産税の課税標準も上昇するため、固定資産税の負担も増加することになります。
相続税
相続税は、被相続人の財産を相続した人に課税される税金です。
相続税の課税標準は、土地の場合には公示価格の80%、建物の場合には固定資産税評価額です。
公示価格が上昇すると、相続税の課税標準も上昇するため、相続税の負担も増加することになります。
公示価格の今後の見通し
コロナ禍の影響
2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大により、経済活動が停滞し、地価にも下落圧力が働きました。
しかし、2022年以降、ワクチン接種の普及や経済活動の再開などにより、地価は回復傾向にあります。
公示価格についても、2022年には全国平均で0.5%の上昇を記録しました。
これは、2021年の下落率(-0.1%)を大きく上回るものであり、コロナ禍からの回復を示すものです。
経済の回復
今後も、経済の回復が進むことで、地価の上昇が続く見込みです。
特に、都市部では、人口増加やインバウンド需要の回復などにより、地価の上昇が期待されます。
また、政府は、住宅市場の活性化を図るため、住宅ローンの金利引き下げや、サブプライムローン対策などの施策を実施しています。
これらの施策により、住宅購入の需要が高まり、地価の上昇につながる可能性があります。
地価動向
しかし、地価の上昇には限度があります。
地価が上昇しすぎると、土地の需要が減少し、地価が下落する可能性があります。
また、地政学リスクや自然災害などの要因により、地価が下落する可能性もあります。
今後の公示価格の動向は、これらの要因によって左右されると考えられます。
まとめ
不動産投資において、公示価格は重要な指標の1つです。
公示価格が上昇すると、不動産の売買価格や固定資産税、相続税の負担も増加することになります。
一方、公示価格が下落傾向にある場合、不動産の売買価格も下落する可能性があります。
そのため、不動産投資を行う際には、公示価格の動向を常にチェックしておく必要があります。
また、公示価格は、土地の取引価格の指標として用いられるため、土地の売買価格を判断する際にも役立ちます。
公示価格を参考にすることで、土地の適正な価格を把握することができます。
なお、公示価格は、毎年3月下旬頃に国土交通省から公表されます。
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